戦略IT構想は既存ビジネスモデルをサポートするというレベルではなく、内なる変革を実現し、新しいビジネスモデルを作り上げるためのものだ。
ITの導入に当たっては、世界標準の導入とグループ企業間の相乗効果を実現していく。
世界のリテイラーとの競争を意識する限り、是が非でも遅れを取り戻し、ローテク企業の汚名を返上しなければならない。
日本的商習慣に革命を起こす「直取引」の断行。
「直取引で商品原価は10%下がったといわれますが、ロジスティクスコストで6~7%かかっていますのでコストダウン効果は3~4%というところでしょう」(流通記者)。
01年から始めた問屋や卸業を通さないメーカーとの直接取引は、ついに「中抜き」の時代がやってきたと関係者に衝撃を与えた。
流通外資と直接対峠した経験を持つイオンは長く「われわれもいずれは直取引しなければ」と肝に銘じたといわれる。
それでもいざ外に向かって、メーカーとの直接取引率を04年までに70%まで高めると宣言するのはかなり勇気のいることだったろう。
ヨーカ堂の「チームMD」も内容的には直取引だ。
ただし、それは衣料品など多数の工程を経なければならない商品に有効だが、イオンの直取引はNBブランドの食品や日用雑貨などロットのまとまる商品に有効で、Wマートと同じ顧客視点に立ったものだ。
単純に考えて彼らの手にする中間マージンが省け、その分を顧客に低価格で還元できる。
ロットがまとまっている分、メーカーとしても計画が立てやすく、完全買取制のPBならメ―-カーはバイバイと直接納入してくれる。
NBはそうはいかない。
メーカーは日本中のリテイラーと取引しているのだから、イオンだけ直取引で割安な価格で納入すれば、他社も「うちにも」と要求される。
そのためにほとんどのNBメーカーが中間業者を通した取引を求めてきた。
もとより、そんなことイオンは先刻承知だから、とりあえず東北(仙台RDC=リージョナルーディストリビューションーセンター)から、順次全国19ヵ所にナショナルーディストリビューションセンター、クロスドックセンターなど5タイプのロジスティクスセンターを890億円の巨費を投じて建設していく方針だ。
Wマートの配送センターばりの物流体制だ。
すべてのセンターが完全稼動すれば、現在年間1200億円といわれる物流コストを200億円以上圧縮することができる。
これが完全稼動しないとWマートに負けないだけの経済効率を実現できない。
W社が立ち上がっていないうちに、コスト低減が徹底的に実現できる物流システムをどうしても自前で構築しておきたい。
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